三菱商事グループには、さまざまなライフスタイル、多様な価値観を持つ社員が在籍しています。事業の多様化、グローバル化が急速に進む中、当社グループがこれからも継続的企業価値を創出するには、多様な人材が価値観を共有し、切磋琢磨しながら成長していくことが不可欠です。当社グループにおけるダイバーシティ・マネジメントの意義は、「経営環境の変化に対応できる、柔軟で強い組織をつくること」にあると考えています。
企業理念である“三綱領”の精神を共有しながら、
を目指します。
「多彩・多才」こそが当社における、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)という考えのもと、個々人それぞれの強みを最大限発揮し、活躍できる環境整備と組織づくりを推進していくため、社長直下の全社ワーキンググループを組成しました。個々の特性を尊重・受容し、多才性を活かし、活躍を促す施策を検討・実行していきます。
所管役員 | 柏木 豊(代表取締役常務執行役員、コーポレート担当役員(人事、地域、IT)) |
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審議機関 (経営意思決定機関である社長室会の下部委員会) |
HRD委員会 委員会で審議されたダイバーシティ・マネジメントに関わる重要事項は、社長室会にて機関決定され、所定の基準に基づき、取締役会に付議・報告されています。 |
事務局 | 人事部 |
2007年に当社で初めてとなるダイバーシティ・マネジメントの専任組織を人事部に設置しました(働く環境支援室、翌年にダイバーシティマネジメント推進室へと名称変更)。その後、組織の統廃合を経て、2021年4月に健康推進・DE&Iチームを設置しました。健康推進・DE&Iチームでは、育児・介護などをしながら働く社員に対する両立支援策のさらなる拡充や、外国籍社員やLGBTが働きやすい職場づくりを進めています。多様な人材が、それぞれの強みを最大限に発揮し、生き生きと働き続けられるよう、職場環境の一層の整備に向け、今後も取り組みを続けていきます。
育児・介護などをしながら働く社員を支援するために、両立支援策を拡充していくと同時に、制度への全社的な理解を促進し、誰もが制度を利用しやすい環境づくりを進めています。
当社では、社員の出産・育児と仕事の両立を会社全体で支援することを目指し、男女問わず利用できる各種制度の拡充を進めています。
育児休職中の社員がスムーズに仕事に復帰できるよう、保育施設、ベビーシッターなどに関する情報提供・案内を行う「MC育児コンシェルジュ」を人事部内に設置しています。また、育児中の社員への学童保育などに関する情報提供、子どもの病気や育児に関する悩みなどの相談も受け付けています。
社員が希望するタイミングで復職できるよう、オフィス近隣の託児所の常時保育枠を確保することに加え、子どもが病気の際に安心して預けられる保育施設・シッターのサービスを利用できるよう、病児保育先も確保しています。また、小学生の子どもを持つ社員を対象に、学校の長期休暇に合わせた学童保育サービス「MC学童」を外部の学童保育サービスに委託して実施しています。
入学・入園式や卒業・卒園式など、子どもが通う小学校・幼稚園・保育園が主催する公式行事に参加できる「子の学校行事休暇」制度があります。また、時差勤務およびフレックスタイム制や仕事と育児の両立支援を目的とした在宅勤務制度を導入しています。
社内の理解促進・風土醸成の一環として、「育児支援ハンドブック」を全社員に配布しています。各種制度・施策の説明だけでなく、職場におけるスムーズなコミュニケーションをサポートすることを目的に、ママ編/パパ編/上司編/同僚編を設け、アドバイスをまとめています。また、管理職を対象にしたガイダンスも定期的に実施しています。
社員が仕事と介護の両立をしながら能力を発揮し続けられるよう、介護休暇、フレックスタイム制、時差勤務、介護休職などの制度を拡充しています。また、「仕事と介護の両立支援セミナー」を開催し、社員が介護について理解を深める機会を設けたり、「介護相談窓口」を設置し、社員および家族が介護についての悩みを早期に相談できる体制を整えるなどの、さまざまな支援をしています。
介護対象家族 | 配偶者、子、父母、配偶者の父母、祖父母、孫、兄弟姉妹 |
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介護休暇 | 10日/年度、有給 |
働き方など |
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介護休職 | 対象家族1名につき通算1年(非営業日を含め365日) ※ 継続する常時介護状態が生じるごとに分割取得可能 |
福利厚生 | 介護サービス利用(24時間対応相談窓口など) |
社内の理解促進・風土醸成の一環として、「仕事と介護の両立支援ハンドブック」を全社員に配布しています。各種制度・施策の説明だけでなく、職場におけるスムーズなコミュニケーションをサポートすることを目的に、本人編/上司・同僚編を設け、アドバイスをまとめています。また、管理職を対象にしたガイダンスや全社員を対象にした仕事と介護の両立支援セミナーを定期的に実施しています。
当社では、社員が配偶者の国内外転勤に同行するために退職する場合、一定条件の下、再雇用する制度を導入しています。今まで培った経験やスキルを生かして、再び当社で活躍してもらうための制度です。
当社では社員が最も重要な財産であるとの認識の下、性別・年齢・国籍などにかかわらず、能力や実績に応じて重要度・難易度の高い職務を提供し、その成果に対し弾力的に処遇していくことで社員一人ひとりの成長を実現していく方針です。この方針に基づき、女性がさらに活躍できる環境を整備する観点から、次の目標を策定し各種施策に取り組みます。
〇 目標1: 女性管理職比率の目標は15%以上とし、さらなる登用を図ります。
両立支援制度の拡充や女性キャリアサポート施策の取り組みを進めた結果、女性管理職比率は以前に比べ増加していますが、女性社員の経営ポジションへの登用をさらに加速させるため、以下の施策に取り組みます。
<取り組み内容>
〇 目標2: 男性の育児関連制度利用率=100%を目指します。
男性の育児休職取得件数や取得期間は増加していますが、育児関連制度利用についての理解促進および取得しやすい環境作りに引き続き注力します。
<取り組み内容>
個々のライフイベントを考慮し、可能な限り計画的に海外駐在も含めたキャリアづくりに注力しています。また、育児休職取得予定、育児中の社員を対象に、関連制度・施策の説明や、育児休職復帰後の働き方などについて先輩社員から経験談を聞くことができる、両立支援ワークショップを開催しています。
社員が配偶者を帯同せずに、中学生以下の子どものみを帯同して海外に赴任する場合、赴任前出張や赴任前の住宅設営、同時引きまとめ、特別帯同補助金の支給を行うなど、円滑な赴任サポートおよび赴任期間中の環境整備を行っています。
60歳以降の働き方に対する意識は個人差が大きく、今後ますます多様化していくと予測されています。60歳定年到達後の「再雇用契約社員制度」導入の他、人事部門の100%出資会社「ヒューマンリンク㈱」に「キャリアデザインセンター」を設立し、シニア人材の活躍を総合的に支援しております。
同センターでは、社員のそれぞれの事情・価値観に応じたキャリアプランに関する個人相談や社外転身を希望する社員のための各種情報や研修機会の提供、求人情報の収集及びマッチングなど、総合的なサービスを提供しています。
キャリアデザインセンターの機能
当社では、企業の社会的責任・ダイバーシティの取り組みの一環として、従来より、障がい者の雇用に取り組んできました。今後も特例子会社である三菱商事太陽㈱と共に、法定雇用率を堅守しながら、当社グループ全体で多様な障がい者の就労機会の拡大に努めていきます。
三菱商事太陽㈱は、当社と社会福祉法人「太陽の家」が共同出資して1983年に設立したIT会社で、大分県別府市に本社を置き、東京(丸の内)に事務所があります。同社は、当社の特例子会社として、障がい者と健常者の「共生」、企業としての「自立」、新たな「企業価値」という企業理念の下、多様な障がい者の就労機会の拡大に努めるとともに、当社および当社グループ企業をはじめ多くの取引先に、システム開発、データ入力、DTP、サーバー運用など、さまざまなITサービスを提供しています。
日本で就労する上で持つ不安や疑問について相談を受け付ける窓口を設置するとともに、在留期間更新許可申請手続きや住宅賃貸、年金、医療情報など役に立つ情報をイントラネットに掲載し、日本での生活をサポートしています。
当社では性的指向・性自認や性表現にかかわらず、全ての社員がその能力を最大限に発揮できるようLGBTに係る基本方針を定め、以下の施策を実施しています。
①社内外の相談窓口の設置
②LGBTに関する理解促進セミナーの実施
③LGBTに関わる福利厚生などガイドライン制定
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
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配偶者出産休暇取得者数 | 96 | 98 | 88 | 110 | 108 |
育児休職取得者数※1当該年度内に休職取得を開始した人数。※1 | 58 | 72 | 84 | 116 | 146 |
男性 | 13 | 20 | 36 | 49 | 78 |
女性 | 45 | 52 | 48 | 67 | 68 |
子どもが生まれた社員数※2男性は当該年度内に配偶者が出産した人数、女性は当該年度内に本人が出産した人数。※2 | 233 | 275 | 241 | 259 | 261 |
男性 | 184 | 216 | 190 | 191 | 176 |
女性 | 49 | 59 | 51 | 68 | 85 |
育児休職取得率(%) | |||||
男性 | 7 | 9 | 18 | 25 | 44 |
女性 | 93 | 96 | 96 | 99 | 80 |
育児休職後の継続就業社員数※3男性は前年度に休職を取得開始し当該年度末に在籍している人数、女性は前年度に出産し当該年度末に在籍している人数。※3 | |||||
男性 | 14 | 11 | 16 | 32 | 48 |
女性 | 52 | 47 | 57 | 50 | 64 |
育児休職後の継続就業率(%)※4男性は前年度に休職を取得開始した者のうち当該年度末に在籍している者の比率、女性は前年度に出産した者のうち当該年度末に在籍している者の比率。※4 | |||||
男性 | 100 | 84.6 | 80.0 | 88.9 | 98.0 |
女性 | 96.3 | 95.9 | 98.3 | 98.0 | 92.8 |
子の看護休暇取得者数 | 251 | 274 | 246 | 209 | 236 |
男性 | 120 | 123 | 82 | 72 | 86 |
女性 | 131 | 151 | 164 | 137 | 150 |
子の学校行事休暇取得者数 | 281 | 299 | 189 | 232 | 244 |
男性 | 138 | 139 | 84 | 107 | 108 |
女性 | 143 | 160 | 105 | 125 | 136 |
育児時間(時短)取得者数 | 82 | 91 | 67 | 60 | 81 |
男性 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 |
女性 | 80 | 90 | 67 | 60 | 80 |
時差勤務・フレックスタイム(育児事由)取得者数 | 87 | 92 | 25 | 14 | 11 |
男性 | 18 | 22 | 3 | 2 | 2 |
女性 | 69 | 70 | 23 | 12 | 9 |
MC育児コンシェルジュ相談件数 | 116 | 93 | 45 | 43 | 51 |
男性 | 22 | 13 | 20 | 13 | 21 |
女性 | 94 | 80 | 25 | 30 | 30 |
MC学童参加者数(延べ人数) | 94 | 102 | - | - | - |
育児中社員向けワークショップ参加者数 | 19 | 19 | 10 | 23 | 26 |
介護休職取得者数※1当該年度内に休職取得を開始した人数。※1 | 4 | 1 | 1 | 0 | 1 |
男性 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 |
女性 | 4 | 1 | 0 | 0 | 0 |
介護休暇取得者数 | 247 | 271 | 269 | 189 | 185 |
男性 | 68 | 78 | 75 | 55 | 56 |
女性 | 179 | 193 | 194 | 134 | 129 |
時差勤務・フレックスタイム(介護事由)取得者数 | 8 | 9 | 5 | 4 | 3 |
男性 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
女性 | 8 | 9 | 5 | 4 | 3 |
介護相談窓口相談件数 | 45 | 48 | 25 | 36 | 14 |
配偶者の国内外転勤に伴う再雇用制度申立者数※5「配偶者の国内外転勤に伴う再雇用制度」とは、社員が配偶者の国内外転勤に同行するために退職する場合、一定条件の下、再雇用する制度。※5 | 6 | 14 | 10 | 13 | 12 |
2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
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女性管理職比率(単体)(%) ※各年4月1日時点 |
3.1 | 3.8 | 4.7 | 5.4 | 6.4 | 7.1 | 7.9 | 8.7 | 9.4 | 10.4 | 11.0 | 11.1 | 11.5 | 11.6 | 12.0 | 11.9★ |
男性 | 女性 | |
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取締役 | 7名 | 2名 |
うち社外取締役 | 2名 | 2名 |
監査役 | 3名 | 2名 |
うち社外監査役 | 1名 | 2名 |
執行役員(社長および他の取締役兼務者を含む) | 46名 | 0名 |
地域名 | 人数 | 都市名 |
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北米 | 11名 | ボストン、カルガリー、ニューヨーク、デルフィ、ロサンゼルス、サンディエゴ |
中南米 | 4名 | エスコンディーダ、ワラス、パナマ、サンチャゴ |
欧州 | 5名 | ロンドン、ロッテルダム、マドリード |
アフリカ | 1名 | ヨハネスブルグ |
中東 | 1名 | ドーハ |
アジア・大洋州 | 31名 | シンガポール、バンコック、サムットプラカーン、ジャカルタ、クアラルンプール、ホーチミン、ブリスベン、パース、ブルネイ |
東アジア | 6名 | 上海、長沙、ウランバートル、香港、台北 |
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
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障がい者雇用率(%) ※各年6月1日時点 |
2.06 | 2.19 | 2.41 | 2.48 | 2.63 | 2.69 | 2.90 | 2.53 | 2.45 | 2.41 | 2.68★ |
★の付されたESG情報は、独立した第三者であるデロイト トーマツ サステナビリティ㈱の保証を得ています。
当社は、2017年1月、「くるみん認定」を受けた企業の中でも、さらに高い水準の両立支援の取り組みを行っている「子育てサポート企業」として、厚生労働省より「プラチナくるみん認定」を受けました。当社は、かねてより母性保護と育児の両面から、子育て支援の制度や環境の整備に取り組んできました。具体的には、法定を上回る育児休職制度、復職後、育児と仕事の両立のサポートとして柔軟な勤務時間の設定を可能にする育児時短、時差勤務、およびフレックスタイム制などを導入しています。また、育児関連制度の配偶者要件(配偶者が常態として子を養育できない場合のみ制度を利用できるという制限)の撤廃、「配偶者出産休暇制度」の導入など、男性社員も利用しやすい環境を整えています。こうした一連の両立支援施策によって、子育て支援のための行動計画の策定・実施が認められ、2008年から継続して「くるみん認定」を受けています。
当社は、2017年1月、女性活躍推進の優良企業として、厚生労働省より「えるぼし認定(2段階目)」を受けました。