三菱商事の人材育成は、経営マインドをもって事業価値向上にコミットする人材を輩出し続けることを基本方針としています。この方針のもと、社員は「構想力」「実行力」「倫理観」を段階的に高い水準に開発していくことが期待されます。
OFF-JT(研修)については、資格別に求められる行動要件(構想力・実行力・倫理観)ごとに必要な知識・スキルなどを整理し、社員が必要なタイミングで習得できるよう構成しています。
これらは当社グループ全体の人材育成を支える研修プログラムとして、当社社員、海外全社拠点社員および国内外グループ企業社員を対象に実施しており、社員の成長を支援します。
経営戦略に即応する人材戦略の実行を目指し、事業環境のスピーディな変化に対応し、全ての人材が力を発揮できる適材適所の推進と環境変化への対応力の強化を図るべく、以下3点を重点に研修体系の整備・拡充を進めています。
多種多様な人材育成プログラムを通して、環境変化に対応したリーダーシップのアップデートや、多彩・多才な人材を生かすためのダイバーシティマネジメント、成長支援スキルの強化に取り組んでいます。中でも、経営と現場の結節点となるチームリーダー層は、「活気あふれる人材と組織」の実現のために特に重要な役割を担うと捉えており、新任リーダーを対象とする組織リーダー研修を、5月から10月にかけて3部構成で実施しています。事業ステージに応じて適切なリーダーシップスタイルを発揮するリーダーシップ開発や、組織の状況・課題を可視化したうえで改善を促す組織開発といったコンテンツを実施しています。
多彩・多才な人材がやりがいと誇りを持って仕事に取り組み、能力を最大限に発揮しながら継続的に成長・活躍できるよう、多様な個の就業観・価値観を尊重し、キャリア自律を後押しする取り組みを拡充します。
DXを加速するために、DX人材タイプにおいて育成強化していく領域を「プロデューサー」「ビジネスデザイナー」「アーキテクト」と定義し、それぞれに求められるスキルを、各人のレベルに応じて習得できるオンデマンド型研修プログラム『MC DX Advancement Program』の提供を開始しました。2022年度から全役職員が受講しています。この他、DX推進や新規事業立ち上げの担当者向けのプログラミング研修やウェブサービス立ち上げのワークショップ、マネジメント向け講座、イノベーション研修など、DX案件をリードする人材の育成に取り組んでいます。
指標 | 2021年度実績 | 2022年度実績 | 2023年度目標 |
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年間教育研修費 | 17.5億円 | 24.3億円 | 24.3億円 |
1人当たり平均研修時間 | 13.2時間 | 21.8時間 | 21.8時間 |
入社3年目までの総合職、ビジネスレベル英語習得率 | 95.0% | 96.2% | 96.2% |
DX関連研修 受講率 | - | 約99.0% | 100% |
三菱商事グループ人材育成プログラム体系
所管役員 | 柏木 豊(代表取締役常務執行役員、コーポレート担当役員(人事、地域、IT)) |
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審議機関 (経営意思決定機関である社長室会の下部委員会) |
HRD委員会 委員会で審議された人材開発に関わる重要事項は、社長室会にて機関決定され、所定の基準に基づき、取締役会に付議・報告されています。 |
事務局 | 人事部 |
※その他、他社主催の研修にも社員を派遣。
2023年3月更新
2019年度グローバル研修生(日)
三菱商事では、多彩・多才な人材がやりがいと誇りを持って仕事に取組み、能力を最大限に発揮しながら、継続的に成長・活躍できるよう、多様な個の就業観・価値観を尊重し、キャリア自律を後押しする取り組みを拡充しています。
社員の自律的成長の実効性を高めることを目的として、年に1回、能力開発・キャリア開発にフォーカスした振り返りの機会を設け、上司との対話を行っています。
成長対話に先立ち、一定の組織を率いる社員は、上司・部下・同僚からの「360度マネジメントレビュー」、それ以外の社員は、部下・同僚による「周囲からのフィードバック」を実施し、本人の気付き・行動改善につなげる成長支援の機会を設けています。
成長対話を経て確認した社員の能力伸長・キャリア希望などを、より広い母集団で共有し、複数の眼で、社員の能力開発・キャリア開発を促進する仕組みを設けています。
個人のキャリア希望、今後伸ばしていきたい能力・資質などを踏まえ、自らが挑戦したい組織への異動を後押しする「Career Choice」制度、社内複業を通じたスキル習得・成長機会を提供する「Dual Career」制度、国内外の大学・大学院への進学を通じた学び直しに自律的に取り組むことができる「サバティカル休職」制度を実施しています。また、個人が自身の能力を可視化、経験の棚卸しを行い、キャリアビジョンを明確にした上で実現に向けたサイクルを設定できるよう、キャリア開発支援プログラムを実施しています。
50歳・55歳を迎える社員には、定年後を含めた今後のライフ・キャリアを自律的に考える機会作りとしてキャリアデザイン研修を必須受講としています。また、40歳代後半以降の希望者むけに、キャリアデザイン研修に加え会社制度説明会やマネープランセミナーを提供しています。
社員の成長と会社の発展が一体となることを目指し、「社員の自律的成長と会社による成長支援」を重点方針として掲げています。
入社後まずは、ビジネスの基礎知識、情報発信力/分析力、マネジメントスキルなどの会得を目的とした研修を実施しています。また、商社パーソンに欠かせないグローバル競争力の強化にも取り組んでいます。
当社社員の一員となった意識と自覚を醸成するとともに、当社社員として必要とされる知識、スキルなどを身につけるためのプログラムを用意しています。環境・社会課題をビジネスに組み込む構想力強化に資するプログラムも実施しています。
入社1~3年目までの若手社員の基礎能力強化として、段階的な2つのプログラム「ビジネスベーシックプログラム(BBS)」「ビジネスアドバンスドスキルプログラム(BAS)」を実施しています。財務会計・簿記・M&A・英語力・グローバルリーダーシップなど、実務を担うプロフェッショナルとしての基礎スキルを総合的に習得します。
若手社員の育成早期化・多様化に対応すべく、海外派遣制度を通じて、原則として入社8年目までに全職員に海外経験を積ませています。国内で得られない視座や多角的視点を獲得して構想力を涵養し、多様な方々と協力し最後までやり抜く実行力の向上を図ります。
・グローバル研修生(長期出張)
海外拠点や海外事業投資先など、日本とは異なる環境で実務研修経験を積むことによりビジネスパーソンとしての更なる成長を図るものです。環境に溶け込み、派遣国をよりよく知るために、派遣前・派遣期間中は、派遣先公用語も学習することとしています。
・グローバル研修生(地域)
事業のグローバル化が進む中、各国・地域に根差した事業を展開するには、ビジネススキルのみならず、その国や地域を深く知ることが重要です。言語の習得をはじめ、当該国・地域の知見を深めるため、インドネシア、タイ、ベトナム、中国、トルコ、ブラジルなど、様々な国で1年半~2年間の語学研修・実務研修を実施しています。
・グローバル研修生(ビジネススクール)
最新の経営管理手法や幅広い問題解決能力を持つ人材の育成のため、欧米やアジアのビジネススクールへ研修生を派遣しています。派遣後は学んだ知識・スキルを生かして事業投資先の経営に携わるなど、様々な場所で活躍しています。
グローバル研修生派遣状況(2020~2022年度)
経営マインド醸成や事業価値向上に寄与するためのスキル獲得を目指した研修を実施しています。事業構想やデジタル戦略などの構想力を強化すると同時に、組織を束ねるための人材育成力を強化するためのプログラムも整備しています。また、部下・同僚の「成長支援」を管理職の最重要ミッションの一つとし、成長支援マネジメントに必要なスキル・知識の習得を目的とした研修を整備・拡充しています。
当社では新入社員の教育担当者として同じ職場の先輩社員をインストラクターに任命し、日常業務につき積極的に指導を行うとともに、当社社員として必要な素養などについて指導・教育を行う役割を担います。インストラクターには新入社員の指導方法や成長支援について学ぶ研修を実施しています。
事業価値向上に必要な構想力の涵養のために、スタンフォード大学などの協力を得たプログラムで構成されるイノベーション研修を実施しています。デザイン思考などのイノベーションを生み出すための思考プロセスを中心にシリコンバレー企業の急成長の背景・メカニズムを学ぶ場となっています。
オンラインで海外のトップビジネススクールのプログラムを受講できる制度を、管理職に登用された者を対象に展開しています。リーダーシップ、ストラテジー、ファイナンスなどの数あるプログラムの中から、自身に必要な要素を自律的に選択し受講する制度となっています。
米国、欧州、アジアのトップビジネススクールの短期プログラムに管理職層を派遣しています。これらの派遣は、マネジメントスキルの向上と、異文化・異業種から集う参加者とのネットワークの構築を目的としています。
経営と現場の結節点となるチームリーダー層は、「活気あふれる人材と組織」の実現のために特に重要な役割を担うと捉えています。部下の成長支援や組織運営など、組織を率いるために求められる成長支援マネジメント、パフォーマンスマネジメントなどの知識・スキルの涵養を目指す組織リーダー研修を、組織を率いるポストの就任者約150名を対象に行っています。
現在当社社員のうち3割が、事業会社に出向し、事業経営を行っています。そのような社員向けに、事業価値向上や組織マネジメントを行う際に肝要な、リーダーシップ、ダイバーシティマネジメント、コーポレートストラテジー、コーポレートガバナンス、組織開発などのスキルを身につけるためのプログラムを実施しています。
幹部候補社員に対するプログラムとして、「MC経営塾」を2003年度より毎年実施しています。このプログラムの柱は、会社の経営課題についてグループで議論をした上で経営陣向けにプレゼンテーションを行う経営課題ワークショップです。多様な経験を持つ社員同士による意見交換、社内外経営者の講話などを通じて、一段高い視座、経営マインド、横のネットワークを得る機会となっています。
社員の自律的成長を促し、自発的な学びや自己研鑚の機会の拡充のため、充実した自律型学習のプログラムを整備しています。また、事業環境変化への対応と多様な個に合わせた学習機会の拡充を狙いとして、全社員を対象としたオンライン研修プログラムを導入し、多様な学習コースの中から社員が自由に選び学習できる環境を整備しています。
学習内容の多様化および学習内容の最新化・最適化に向けた対応ならびに自律的学習を通じた個人の能力・スキル向上をサポートするため、オンラインで多数のコンテンツから学べる学習プラットフォームを導入しています。約9,500本の既存コンテンツの他、社内コンテンツ動画75本以上を掲載し、総合職スタッフ層では、年間一人当たり平均10時間以上視聴しています(2022年度実績)。
当社の人事制度・諸施策は、社員の成長と会社の発展が一体となることを目指しています。社員の成長のためには、社員一人ひとりが自律的に成長するという強い意思を持つことが重要なため、2022年度よりその支援の一環として、全職員を対象にキャリアビジョンに関する講座(e-learning)を提供しています。自律的成長を続けるためのキャリアの考え方を学ぶとともに、自己の才能を可視化し、キャリアビジョン実現に向けたアクションプランを策定・実行することで成果の創出を目指します。
MCスキルアップ講座では、専門性、構想力、実行力につながるスキル・能力を醸成するための講座を多数用意しています。
自己啓発講座は、業務に生かせるマネジメント・ビジネス実務・語学などの知識やスキル習得のため、会社が指定する講座の受講を奨励し、能力開発の機会を提供するものです。
経営マインドをもって事業価値向上にコミットする人材に育つという社員の自律的な成長を促進するため、「現場のプロ育成ステージ」の行動要件を満たすために相応しいと認められる講座の受講を支援するものです。
さらなるDX加速に向けて、全社員が必要なデジタル知見を獲得するため、各レベルに応じた研修を展開しています。DX推進や新規事業立上の担当者向けのプログラミング研修とウェブサービス立上のワークショップ、またプロジェクトマネージャー向けに事業開発や業務改善プロジェクトの企画・構想~開発までの全体像を理解するプログラムの実施に加え、全社員のIT・デジタルリテラシー向上を目的とした必須講座や個々人のレベルに応じた講座を提供しています。
変化対応力を高めるリスキル、DX推進力の強化の一環として、当社全役職員が身につけるべきIT・デジタルリテラシーを、各人のレベルに応じて段階的かつバランス良く習得するためのオンデマンド型研修プログラム MC DX Advancement Programを新設し、データデザインやDXプロジェクト管理など約70時間、16講座を全役職員向けに提供しています。
DX推進やIT活用におけるより適切な判断や部下への助言を行えるよう、マネジメント層向けの講座を実施しています。DX時代のリーダーに必要な技術導入時の特性、適切なコミュニケーション法、意思決定のタイミング、及び判断のポイントなどの理解を深めることを目的としています。
当社では、当社グループ約8万人の総合力強化を図ることを目的として、価値観の共有、強固なネットワークの構築に取り組んでいます。
2010年度より、当社の理念・価値観の共有や当社グループの理解を深めることを目的として、国内外の拠点・グループ企業の社員を対象に導入研修「MC Group Gateway Program」を開催しています。東京にて、日本語・英語で実施しており、累計約4,600名以上が参加しています。さらに、各海外地域でも同様の導入研修を展開しており、当社グループ全体での価値観の共有を推進しています。
近年、事業ニーズに合わせて、海外拠点社員が国を超えて異動するケースが増えています。国を超えた異動を通じて幅広い経験をすることにより、グローバルな視野を磨くとともに、当社グループの概要や経営方針に対する理解を深めることにつながるため、今後も連結・グローバルベースでの配置(適材適所)を推進していきます。
名称 | 対象 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
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Business Basic Skill Program | 入社1~2年目 | 124名 | 128名 | 137名 |
Business Advanced Skill Program | 入社3年目 | 121名 | 114名 | 124名 |
MC経営塾 | 部長クラス | 28名 | 29名 | 29名 |
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
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年間研修受講者数※1本店人事部主催研修のみ※1 | 4,541名 | 3,915名 | 10,988名 |
年間延べ研修実施時間 | 約9万2000時間 | 約7万4000時間 |
約11万8000時間 |
1人当たり平均研修時間※2年間延べ研修実施時間を全従業員で割り1人当たりになおしたもの このほかに会社が提供するオンライン学習プラットフォームを利用した自己啓発時間あり※2 | 16.0時間 | 13.2時間 | 21.8時間 |
教育・研修費総額※3教育研修費+外部研修機関への研修業務委託料※3 | 16.3億円 | 17.5億円 | 24.2億円 |
1人当たり研修費※4教育・研修費総額を全従業員で割り1人当たりになおしたもの※4 | 28.6万円 | 31.6万円 | 44.5万円 |
名称 | 対象 | 受講者数 | 研修時間 |
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事業経営プログラムⅠ | 国内・海外事業会社で事業経営に携わる職員 | 70名 | 15.0時間 |
事業経営プログラムⅡ | 国内・海外事業会社で幹部として事業経営に携わる職員 | 36名 | 18.5時間 |
イノベーション研修 | 事業構想、デジタル戦略、新規事業立案などの役割期待を担う職員 | 92名 | 77.0時間 |
組織リーダー研修 | 新任内部組織責任者(チームリーダーなど) | 122名 | 43.5時間 |
オンラインBS | 管理職昇格者 | 147名 | 平均 41.2時間 |
新任M2研修 | 管理職昇格者 | 151名 | 36.5時間 |
インストラクター研修 | インストラクター(新入社員指導担当) | 141名 | 17.0時間 |
キャリアビジョン研修 | 入社6年目職員 | 107名 | 10.0時間 |
ビジネスアドバンスドスキルプログラム | 入社3年目職員 | 124名 | 73.0時間 |
新入社員向け研修 | 入社1年目職員 | 121名 | 184.5時間 |
キャリアデザイン関連研修 | 48歳以上職員 | 1,646名 | 19.0時間※1総合職マネジメント層の標準的な受講時間※1 |
A職キャリアビジョン研修 | 一般職掌 | 239名 | 24.5時間 |
オンライン学習プラットフォーム(Udemy) | 全社員 | 登録者数 5,596名 | 平均視聴時間 10.4時間 |
MCスキルアップ講座 | 全社員(講座ごとに自由応募) | 639名 | 平均 5.9時間※2全21講座の平均時間※2 |