Environmental 環境

資源有効活用

方針

方針

私たちの生活は、豊かな地球の資源に大きく依拠しています。限りある資源を持続可能な形で享受し、プラネタリー・バウンダリーの中で経済価値・社会価値・環境価値の三価値を同時実現していくことが、大切だと考えています。当社は、環境憲章の中で、エネルギー、鉱物、水産物、食料、木材、水などの持続可能な利用に努めることを明確にしており、事業活動の中の重要な観点と位置付けています。具体的には、資源のリサイクル・再利用の徹底・効率的な使用、生態系への負荷・影響を低減する事業活動、自然界が自らの力で再生できる範囲での漁獲など、それぞれの事業に応じて資源の有効的な活用をしています。

参照
三菱商事環境憲章
サステナビリティ部(PQ)

体制

体制

所管役員 小林 健司(執行役員、コーポレート担当役員(CSEO))
審議機関
(経営意思決定機関である社長室会の下部委員会)
サステナビリティ委員会
委員会で審議された資源有効活用に関わる重要事項は、社長室会にて機関決定され、所定の基準に基づき、取締役会に付議・報告されています。
事務局 サステナビリティ部
参照
サステナビリティ推進体制図

リスク管理

当社では投融資案件の審査に際し、経済的側面だけでなく、ESG(環境、社会、ガバナンス)の観点を重要視し、リサイクル・循環型ビジネスや廃棄物マネジメントなどの対応も踏まえ、総合的に審議・検討しています。また、新規・撤退案件の審査のみならず、既存事業投資先の事業経営をモニタリングし、改善に資するように努めています。

参照
当社における人権・環境デューデリジェンス
サステナビリティ部(PQ)

目標

目標

当社が排出する廃棄物に関しては、本店オフィスにおいて、前年度比1%の削減を原則とし、前年度の状況に応じて目標設定を行っています。また、リサイクル率については、これを95%以上とし、廃棄物の「ゼロエミッションオフィス」当社では、本店オフィスから排出される廃棄物量の95%以上を再生処理を行う業者に委託した場合を「ゼロエミッション」と定義している。また、廃棄物のReduce、Reuse、Recycleを促進し、本店オフィス活動に伴う廃棄物排出量目標を管理している。を達成することを目標としています。

(単位:t)
  2021年度 2022年度 2023年度
廃棄物 排出量 431 485 898※1オフィス改装工事廃棄物分を含む※1
 • リサイクル量 425 467 888
 • 廃棄量 6 18 11
リサイクル率(%) 99% 96% 99%

集計範囲(単体):本店および東京に所在する一部のビル

サステナビリティ部(PQ)

取り組み

取り組み

リサイクル・循環型ビジネスの取り組み(飼料生産事業)

当社子会社の日本農産工業㈱では、「エコフィード食品製造副産物(食品の製造過程で得られる副産物)や売れ残り(パンやお弁当など)、調理残渣(野菜カットくずや調理の際に発生するもの)、農場残渣(規格外農産物など)を利用して製造された飼料。」を配合飼料の原料として活用することにより、食品リサイクル率上昇、飼料/食料自給率改善へ寄与することを目指しています。現在、廃棄されていた食品製造副産物、売れ残りや調理残渣などをリサイクルした乾燥エコフィードを約7,000MT/年、製パン、製菓工場からの副産物(パン粉、菓子粉)を約20,000MT/年使用しており、畜産用飼料の原料として活用しています。

リサイクル・循環型ビジネスの取り組み(飼料生産事業)

リサイクル・循環型ビジネスの取り組み(畜産事業)

大規模畜産会社である当社子会社の㈱ジャパンファームでは、地元産業から出る廃棄物(焼酎かす:醸造時の廃液)の再利用を核とした循環型環境モデルの構築に取り組んでいます。㈱ジャパンファームのある鹿児島県は、芋焼酎製造が有名ですが、従来、焼酎製造の過程で発生する焼酎粕の廃棄が課題となっていました。そこで、同社は地元酒造メーカーと連携して、焼酎粕を再利用した飼料を開発し、「ブランド豚」の飼育に利用しています。飼料への活用により廃棄時のコストとCO2の削減を実現するとともに、飼育している豚の糞を再利用し、肥料を製造しています。製造した肥料は地元農協などで販売し、農業に活用頂いています。

加えて、農場から排出される鶏糞を燃料とし、「蒸気と電気エネルギー」を取り出し有効利用するバイオマス発電設備の維持・運用も行っています。発電した電力は工場の電源として利用し、発電用ボイラーで発生させた蒸気は工場内の熱源としても利用しています。焼却時に発生した燃焼灰は、有効なミネラル分を含む肥料の原料として外部へ販売しています。

リサイクル・循環型ビジネスの取り組み(畜産事業)

循環型PET製造事業への参画

当社は、2020年1月に飲料ボトル用PET樹脂※1ポリエチレンテレフタレートの略称。※1製造事業会社であるThai Shinkong Industry Corporation Ltd(タイ新光社)に出資し、循環型PET製造事業に参画しました(当社持分34%)。

PET樹脂は優れた透明性やバリア性といった特徴を有し、回収・リサイクルシステムが構築されたリサイクル性の高い単一素材であり、飲料用ボトルや食品用容器、繊維など幅広い用途に使用されています。世界的に循環型社会への移行要請が高まる中、モノマテリアル化(単一素材での使用促進)の進展に伴い需要拡大が期待されるPET樹脂の製造能力拡張、およびケミカルリサイクル技術※2使用済みプラスチックを化学的に原料レベルまで分解し、再重合するリサイクル手法。リサイクルによる品質劣化を伴わず再資源化することが可能。※2導入によるリサイクルPET樹脂製造事業への参画を通じて、「自然資本の保全と有効活用」に向けた取り組みを強化していきます。

プラスチックにおいても世界的な環境意識の高まりがある一方で、プラスチックは持続的な経済発展を支える優れた機能性を有する基盤素材です。当社は、この様なプラスチック事業の展開において、リサイクル率の向上、代替素材の開発などを通じて、循環型社会の実現に貢献することを目指していきます。

サステナビリティ部(PQ), 化学ソリューショングループ(CT), 食品産業グループ(LI)