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方針

人権に関する基本的な考え方(国際規範への対応)

三菱商事は、世界中でさまざまなビジネスを展開するに当たって、人権への配慮は重要な要素であると考えています。当社では、企業行動指針および社会憲章において人権の尊重をうたい、また、役職員行動規範の細目においては、人権の尊重、人種・民族・信条・宗教その他事由による差別の禁止、ハラスメントの禁止、各国・地域の文化・慣習・言語の尊重等を明記し、社内外に対し、これを明らかにしています。また、国際人権章典(世界人権宣言・国際人権規約)、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」「ILO国際労働基準」「安全と人権に関する自主的原則」等の国際規範を支持しています。さらに、企業のサプライチェーンを取り巻く強制労働等防止の取り組みを開示することを求める法令である「英国現代奴隷法」について、当社は、この法令に対応するステートメントを開示するとともに、「持続可能なサプライチェーン行動ガイドライン」を定め、サプライヤーの皆様に対し、強制労働の禁止・児童労働の禁止等の人権への配慮等に関し、賛同と理解、実践をお願いしています。

参照企業行動指針、三菱商事役職員行動規範、三菱商事社会憲章
現代奴隷法に係る声明

国際人権章典(世界人権宣言・国際人権規約)の支持

世界人権宣言は、1948年12月10日に第3回国連総会にて採択されました。人権および自由を尊重し確保するために、「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準」を宣言したものです。当社では、この宣言を支持しています。

国連では、世界人権宣言の内容を基礎として、宣言を条約化した拘束力のある国際人権規約を定めています。この規約は、市民的・政治的権利に関する規約「自由権規約」と経済的・社会的・文化的権利に関する規約「社会権規約」とに分けられています。この二つの国際人権規約は、1966年の第21回国連総会において採択され、1976年に発効しています。日本は、1979年にこの国際人権規約を批准しています。

当社は、この国際人権規約を支持し、役職員行動規範の細目において、遵守すべき関連法案として明記しています。

国連のビジネスと人権に関する指導原則の支持

国連のビジネスと人権に関する指導原則は、国連事務総長特別代表であるハーバード大学ジョン・ラギー教授により国連人権理事会に提出され、全会一致で承認を受けた「国際連合『保護、尊重及び救済』枠組」(2008年)を具体化するため、2011年に策定された原則です。企業が人権問題に取り組む際に重要とされる人権デューデリジェンスの手順等について示されています。

当社は、この指導原則を支持しています。

ILO国際労働基準の支持

ILO(国際労働機関)は、「世界の永続する平和は、社会正義を基礎としてのみ確立することができる」という原則の上に立って1919年に設立されました。設立以来の最も重要な機能の一つは、国際基準として設定した条約および勧告を、三者構成(使用者・労働者・政府)の国際労働総会で採択し、加盟国が批准することでその実施を義務づけることです。また、勧告は政策、立法、慣行の指針となります。ILOは設立以来、労働分野にかかわるほとんどすべての事項を網羅する条約と勧告を採択してきました。その中で基本となるものは、差別待遇条約、最低年齢条約、最悪の形態の児童労働条約などを含む8つの条約から構成されているILO国際労働基準です。

当社はこの8つの条約のすべてを支持し、役職員行動規範細則で遵守事項の関連法令として明記しています。

安全と人権に関する自主的原則の支持

安全と人権に関する自主的原則(Voluntary Principles on Security and Human Rights)は、2000年にアメリカ政府、イギリス政府、資源・エネルギー分野の民間企業、人権や企業の社会的責任に関心のあるNGOなどが、安全と人権について対話を重ねる中で、基本的人権、業務の安全確保などについて自主的に提起した原則で、国際連合が策定した"Basic Principles on the Use of Force and Firearms by Law Enforcement Officials and Code of Conduct for Law Enforcement Officials"に準じて策定されました。この原則は、「セキュリティは個人、コミュニティ、企業、政府が共有する基本的な要素で、セキュリティと人権尊重は両立する」、「企業の安全要員は企業の資産を盗難や暴力から守る一方で、武器の乱用による人権侵害の潜在的リスクを含んでいることを留意すべきである」、「企業は、会社が立地する国の法と企業活動を両立させ、もっとも適切な世界基準に心を配り、特に、力の行使に関しては国際法の遵守を推進するべきである」、「企業はコミュニティの一員であるから、地域社会に積極的にかかわり、地域の福祉に寄与していくべきである」などが掲げられ、そのほかにも、企業が活動を展開する際に心掛けるべき原則や政府の役割などが言及されています。

当社は、安全と人権に関する自主的原則で提起されたこの自主原則を支持しています。

サステナビリティ・CSR部 サステナビリティ企画チーム(PQ-C)

子どもの権利に関する方針

当社は、子どもはその権利が侵害されやすい立場にあることから、その人権に関して特別な配慮が必要であると考えます。また、子どもがその人権を尊重されることによって、子ども自身が権利の存在を知り、これにより社会においてますます活躍し、社会の未来を担うことが可能になると信じています。以上の認識に立ち、当社は、子どもの人権に関する国際連合やILOの諸条約の内容に賛同し、児童労働を認めず、子どもの人権が尊重されるように配慮し、社内において従業員に対する方針を定めています。特に、「児童の権利に関する条約」については、条約を支持し、この四つの柱である子どもの「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」の考え方に賛同し、最低就業年齢に満たない児童対象者を雇用せず、また児童の発達を損なうような就労はしないことを当社の持続可能なサプライチェーン行動ガイドライン内に掲げ、また「子どもの権利とビジネス原則」を支持するとともに、事業における子どもの権利侵害を回避することや、子どもの権利の実現に向けた社会貢献活動等に取り組みます。
尚、当社は「持続可能なサプライチェーン行動ガイドライン」を制定し、サプライヤーの皆様に対しても最低就業年齢に満たない児童対象者を雇用せず、また児童の発達を損なうような就労をさせてはならないことへのサプライヤーの賛同と理解、実践を期待しています。

※「 国連グローバル・コンパクト」「児童の権利に関する条約」「子どもの権利とビジネス原則」「最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約(ILO条約第182号)」等

サステナビリティ・CSR部 サステナビリティ企画チーム(PQ-C)

先住民の権利に関する方針

当社は、人権尊重のコミットメントの一環として、先住民がいる地域での事業活動においては、先住民が固有の文化や歴史を持つことを認識し、事業活動を行う国・地域の法律や国際的な取り決めに定められた先住民の権利への配慮を行います。また、新規の投融資案件の検討に当たっては、事業が先住民の権利に及ぼす影響を考慮し、関係するステークホルダーと対話を行っており、当社は、国連で採択された「先住民族の権利に関する宣言」、「独立国における原住民及び種族民に関する条約(ILO条約第169号)」等を支持しています。

サステナビリティ・CSR部 サステナビリティ企画チーム(PQ-C)

武装警備員の人権配慮に関する方針

当社は、事業活動に取り組む上で、従業員を暴力等の危険から守り、資産を盗難等から守ることが重要であると考え、必要な場合は、武装警備員を起用することもあります。当社は、警備における武器の乱用には、人権侵害の潜在的なリスクが伴うことを認識し、警備会社の起用に関しては、事業活動を行う国・地域の法律や国際的な規範の遵守のみならず、関連する国際的な取り決めを支持します。

※「 国連グローバル・コンパクト」や「安全と人権に関する自主的原則」「法執行官のための行動綱領」「法執行官による力と銃器の使用に関する基本原則」等

サステナビリティ・CSR部 サステナビリティ企画チーム(PQ-C)

体制

所管役員 村越 晃(代表取締役常務執行役員、コーポレート担当役員(CDO、CAO、広報、サステナビリティ・ CSR))
審議機関
(経営意思決定機関である社長室会の下部委員会)
サステナビリティ・CSR委員会、HRD委員会
委員会で審議された人権に関わる重要事項は、社長室会にて機関決定され、所定の基準に基づき、取締役会に付議・報告されています。
事務局 サステナビリティ・CSR部、人事部

参照サステナビリティ推進体制図

リスク管理

当社では、投融資案件の審査に際し、経済的側面だけでなく、ESG(環境、社会、ガバナンス)の観点も重要視して、総合的に審議・検討しています。人権の観点では、特に①先住民の権利、②児童の権利が侵害されていないこと、③投資先のみならず、投資先の取引先(サプライチェーン)における人権配慮の状況に関するデューデリジェンス等の精査を行い、審議・検討に役立てています。この際、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」の内容を参考にする他、国際金融公社(IFC)のガイドラインや、国際協力銀行(JBIC)の「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン」等も参照の上、リスク管理に活用しています。また、新規・撤退案件の審査のみならず、既存事業投資先の事業経営をモニタリングし、改善に資するように努めています。

参照サプライチェーン調査

サステナビリティ・CSR部 サステナビリティ企画チーム(PQ-C), 人事部 人事組織チーム(PJ-P)

苦情対応への体制

社内で発生した人権問題に関する相談ができるよう、社内に人権相談窓口及びコンプライアンス目安箱など複数の内部相談窓口を設置し、メール・電話・対面等の方法で、いつでも相談ができるような体制を整えています。この相談窓口は匿名で相談することができ、内容の秘匿性が確保されるとともに、内容に利害関係を持たない関係者による対応・調査が確保され、本人の希望・意向を最優先した上で最善の解決策を提示しています。なお、この窓口が存在することは、入社時の人権啓発研修を通して案内しており、社内掲示板に常時掲載するとともに、毎年実施している全役職員が受講対象であるコンプライアンスe ラーニングにおいても案内しています。さらに、関連会社に出向する社員に対しても人権研修を実施するなど、連結ベースでの対応も行っています。

なお、2019年度において、当社グループの経営に重大な影響を及ぼすような人権侵害や差別に関する事例はありません。

参照内部通報制度

法務部 コンプライアンス総括室(PL), 法務部 法務企画室(PL-X)

サステナビリティアドバイザリーコミッティー

当社では、社外の有識者6名をメンバーとするサステナビリティアドバイザリーコミッティーを設置しており、人権への取り組み等、当社のサステナビリティの取り組みに対し、さまざまな視点からのアドバイスを定期的に頂いています。定例のコミッティーに加え、年に1度、事業現場の視察もしていただき、当社の取り組みへの理解を深めていただいています。

参照サステナビリティアドバイザリーコミッティー

サステナビリティ・CSR部 サステナビリティ企画チーム(PQ-C)

取り組み

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教育センターで学ぶ子どもたち

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母と子の自然教室 山登りの途中の田んぼの中

サプライヤーへの取り組み

世界中で多様な商品・サービスを取り扱う三菱商事にとって、持続可能なサプライチェーンの確保は重要な課題の一つになっています。当社では、人権に加え、労働問題・地球環境等への取組みの方針となる「持続可能なサプライチェーン行動ガイドライン」を制定し、当社の基本的な考え方を全世界のサプライヤーの皆様へお伝えし、賛同と理解、実践を期待しています。

従業員に対する研修

当社では、人権の尊重を含めた当社の理念、および関連ガイドラインの研修(新入社員研修等の階層別研修や、貿易実務に係る研修等の社内研修等)を実施しています。2020年度実績は以下の通りです。

2020年度研修実績
受講人数・割合

対象 総実施時間数 受講割合
単体役職員 5時間 99.1%

※ 各研修受講割合の平均値。

困難を抱える子どもたちへの支援

ベトナムのハティン省では、家庭が経済的に困窮する場合、障がいをもつ子どもたちが教育の機会に恵まれないことが多くあります。そのため、Anh Dao特別教育センターを通じて自閉症の子どもたちに向けた教育講座やその両親に対する訓練講座を支援し、教育環境の改善と生活水準の向上を目指しています。

教育センターで学ぶ子どもたち
教育センターで学ぶ子どもたち
母と子の自然教室の開催

当社では、1974年より、「母と子の自然教室」を開催しています。これは、ひとり親家庭の母子を対象とした人や自然との触れ合いを体験するキャンプで、この活動を通して、未来を担う子どもたちが社会でいきいきと活躍出来ることを目指し、自然豊かな新潟県南魚沼市で開催しています。参加親子が自然の中で楽しく安全に遊ぶことができるよう、同行する社員ボランティアは約3カ月間、トレーニングとミーティングを重ねキャンプをつくり上げています。これまで17,868名の親子と1,163名の社員ボランティアが参加しており、「継続」と「社員参加」をモットーとする当社の社会貢献活動を代表する活動の一つです。

母と子の自然教室 山登りの途中の田んぼの中
母と子の自然教室 山登りの途中の田んぼの中
サステナビリティ・CSR部 サステナビリティ企画チーム(PQ-C), サステナビリティ・CSR部 社会貢献チーム(PQ-P)

外部との協働事例

当社は、国連が開催する「ビジネスと人権フォーラム」への定期的な参加を通して企業と人権に係る最新動向の把握に努めています。また、当社が参加しているWBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)のPeople Programへの参加を通じて、企業間の情報交換を行い、ベストプラクティスを学び、実践することに結び付ける活動をしています。

参照WBCSD

サステナビリティ・CSR部 ステークホルダーエンゲージメントチーム(PQ-E), サステナビリティ・CSR部 サステナビリティ企画チーム(PQ-C)