『三綱領』を企業理念とし、公明正大を旨とする企業活動を通じ、継続的に企業価値の向上を図るとともに、物心ともに豊かな社会の実現に貢献することが、株主の皆様やお客さまをはじめとする全てのステークホルダーのご期待に応えるものと認識しています。この実現のため、経営の健全性、透明性、効率性を確保する基盤として、コーポレート・ガバナンスの継続的強化を経営上の重要課題としており、監査役制度を基礎として、独立役員の要件を満たす社外取締役・社外監査役の選任や社外役員・社外委員を過半数とする取締役会の諮問機関の設置などにより、経営監督機能を強化するとともに、モニタリング機能の強化による意思決定や業務執行の迅速化・効率化を図るなど、実効性のあるコーポレート・ガバナンス体制の構築に努めています。
コーポレート・ガバナンス体制(2023年6月23日時点)
取締役会では、経営上の重要事項を審議し、中期経営戦略の主要項目や各部門、営業グループの事業戦略などの報告を通じた業務執行の監督を行っています。また、法令および定款に基づく決議事項、ならびに三菱商事が定める金額基準を超える投融資案件については、経済的側面だけでなく、ESGの観点も重視し、審議・決定しています。さらに、適切な内部統制システムを構築し、毎年その運用状況を確認の上、継続的な改善・強化に努めています。
なお、取締役会決議事項を除く業務執行は、執行役員に委ね、業務執行の最高責任者として社長を、経営意思決定機関として社長室会(月2回程度開催)を置き業務を執行しています。
規模・構成 | 透明・公正かつ迅速・果断な意思決定や実効性の高い監督を行うのに適切な規模・構成とし、そのうち社外取締役が3分の1以上を占める構成とする | |
---|---|---|
選任方針 | 広範な分野で多角的な事業を行う当社の適切な意思決定・経営監督の実現を図るため、多様性を確保する観点から、社内および社外それぞれから、豊富な経験、高い見識、高度な専門性を有する者を複数選任する | |
社内取締役 | 取締役会議長を務める取締役会長、業務執行の最高責任者である社長の他、全社経営を担う役付執行役員の中から選任し、当社における豊富な業務経験を活かして、取締役会の適切な意思決定、経営監督の実現を図る | |
社外取締役 | 企業経営者としての豊富な経験に基づく、実践的な視点を持つ者、および世界情勢、社会・経済動向などに関する高い見識に基づく、客観的かつ専門的な視点を持つ者から複数選任し、多様な視点から、取締役会の適切な意思決定、経営監督の実現を図る | |
選任手続 | 上記方針を踏まえ、社長が取締役候補者の選任案を作成し、ガバナンス・指名・報酬委員会による審議を経て、取締役会で決議の上、株主総会に付議する |
取締役会では、経験・見識・専門性などを踏まえ、全人格的に考慮して選任した取締役・監査役が、多様な視点から審議し、適切な意思決定・経営監督の実現を図っています。当社取締役会として備えるべき経験・見識・専門性など、およびその選定理由は以下の通りであり、各取締役・監査役が有する経験・見識・専門性などは、以下の表の通りです。
総数 | 9名 |
---|---|
非執行・非独立取締役数(取締役会長) | 1名 |
執行取締役数 | 4名 |
独立社外取締役数(うち、女性取締役) | 4名(2名) |
取締役会には取締役に加え監査役も参加しており、以下のように運営しています。
役職名 | 取締役 | 監査役 | 計 |
---|---|---|---|
議長(非執行・非担当) | 1名 | - | 1名 |
執行取締役数/常勤監査役数 | 4名 | 2名 | 6名 |
独立社外取締役数/独立社外監査役数(うち、女性) | 4名(2名) | 3名(2名) | 7名(4名) |
社内取締役 | 略歴および地位・担当 | 取締役会への出席状況 (2022年度) |
ガバナンス・指名・報酬 委員会への出席状況 (2022年度) |
||
---|---|---|---|---|---|
出席回数 | 出席率 | 出席回数 | 出席率 | ||
垣内 威彦 | 1979年4月 三菱商事入社 2010年4月 執行役員 農水産本部長 2011年4月 執行役員 生活産業グループCEO オフィス室長、農水産本部長 2013年4月 常務執行役員 生活産業グループCEO 2016年4月 社長 2016年6月 取締役 社長 2022年4月 取締役会長〔現職〕 |
定例:10回/10回 臨時:4回/4回 |
100% | 5回/5回 | 100% |
中西 勝也※1代表取締役を示す。※1 | 1985年4月 三菱商事入社 2016年4月 執行役員 中東・中央アジア統括 2018年4月 執行役員 新エネルギー・電力事業本部長 2019年4月 常務執行役員 電力ソリューショングループCEO 2020年4月 常務執行役員 電力ソリューショングループCEO、電力・リテイルDX タスクフォースリーダー 2021年4月 常務執行役員 電力ソリューショングループCEO、電力・リテイルDX タスクフォースリーダー、EX タスクフォースリーダー 2022年4月 社長 2022年6月 取締役 社長〔現職〕 |
定例:7回/7回 臨時:3回/3回※32022年6月24日の取締役就任以降の状況を記載※3 |
100% | 5回/5回 | 100% |
田中 格知※1代表取締役を示す。※1 | 1982年4月 三菱商事入社 2014年4月 執行役員 金属資源本部 副本部長 2015年4月 執行役員 金属資源本部長 2018年4月 常務執行役員 金属グループCEO 2019年4月 常務執行役員 金属資源グループCEO 2022年4月 常務執行役員 金属資源グループCEO、EXタスクフォースリーダー 2022年6月 取締役 常務執行役員 金属資源グループCEO、EXタスクフォースリーダー 2023年4月 取締役 副社長執行役員 EX担当〔現職〕 |
定例:7回/7回 臨時:3回/3回※32022年6月24日の取締役就任以降の状況を記載※3 |
100% | - | - |
柏木 豊※1代表取締役を示す。※1 | 1986年4月 三菱商事入社 2018年4月 執行役員 環境事業本部長 2019年4月 執行役員 電力ソリューショングループCEO オフィス室長 2021年4月 常務執行役員 コーポレート担当役員(国内開発)、関西支社長 2021年6月 取締役 常務執行役員 コーポレート担当役員(国内開発)、関西支社長 2022年4月 取締役 常務執行役員 コーポレート担当役員 (CDO、CAO、広報、サステナビリティ・CSR) 2022年7月 取締役 常務執行役員 コーポレート担当役員(IT、CAO、広報、サステナビリティ・CSR) 2023年4月 取締役 常務執行役員 コーポレート担当役員(IT、CAO)、チーフ・コンプライアンス・ オフィサー、緊急危機対策本部長〔現職〕 |
定例:10回/10回 臨時:4回/4回 |
100% | - | - |
野内 雄三※1代表取締役を示す。※1 | 1987年4月 三菱商事入社 2019年4月 執行役員 主計部長 2022年4月 常務執行役員 コーポレート担当役員(CFO) 2022年6月 取締役 常務執行役員 コーポレート担当役員(CFO)〔現職〕 |
定例:7回/7回 臨時:3回/3回※32022年6月24日の取締役就任以降の状況を記載※3 |
100% | - | - |
社外取締役 | 略歴および地位・担当 | 取締役会への出席状況 (2022年度) |
ガバナンス・指名・報酬 委員会への出席状況 (2022年度) |
||
---|---|---|---|---|---|
出席回数 | 出席率 | 出席回数 | 出席率 | ||
立岡 恒良※2会社法第2条第15号に定める社外取締役を示す。いずれも、㈱東京証券取引所が定める独立役員の要件及び当社が定める社外役員選任基準を満たす。※2 | 1980年4月 通商産業省(現 経済産業省)入省 内閣官房内閣審議官、経済産業省大臣官房長、経済産業事務次官を経て 2015年7月 同省退官 2018年1月 三菱商事顧問(2018年6月退任) 2018年6月 三菱商事取締役〔現職〕 |
定例:10回/10回 臨時:3回/4回 |
93% | 5回/5回 | 100% |
宮永 俊一※2会社法第2条第15号に定める社外取締役を示す。いずれも、㈱東京証券取引所が定める独立役員の要件及び当社が定める社外役員選任基準を満たす。※2 | 1972年4月 三菱重工業㈱入社 2006年4月 同社執行役員 2008年4月 同社常務執行役員 2008年6月 同社取締役、常務執行役員 2011年4月 同社取締役、副社長執行役員 2013年4月 同社取締役社長 2014年4月 同社取締役社長、CEO 2019年4月 同社取締役会長〔現職〕 2019年6月 三菱商事取締役〔現職〕 |
定例:10回/10回 臨時:4回/4回 |
100% | 4回/5回 |
80% |
秋山 咲恵※2会社法第2条第15号に定める社外取締役を示す。いずれも、㈱東京証券取引所が定める独立役員の要件及び当社が定める社外役員選任基準を満たす。※2 | 1987年4月 アーサーアンダーセンアンドカンパニー(現 アクセンチュア㈱)入社 (1991年4 月退職) 1994年4月 ㈱サキコーポレーション設立 代表取締役社長 2018年10月 同社ファウンダー(顧問)〔現職〕 2020年6月 三菱商事取締役〔現職〕 |
定例:10回/10回 臨時:2回/4回 |
86% | 5回/5回 | 100% |
鷺谷 万里※2会社法第2条第15号に定める社外取締役を示す。いずれも、㈱東京証券取引所が定める独立役員の要件及び当社が定める社外役員選任基準を満たす。※2 | 1985年4月 日本アイ・ビー・エム㈱入社 2002年7月 同社理事 2005年7月 同社執行役員(2014年7月退任) 2014年7月 SAP ジャパン㈱ 常務執行役員(2015年12月退任) 2016年1月 ㈱セールスフォース・ドットコム(現 ㈱セールスフォース・ジャパン)常務執行役員(2019年8月退任) 2022年6月 三菱商事取締役〔現職〕 |
定例:7回/7回 臨時:3回/3回※32022年6月24日の取締役就任以降の状況を記載※3 |
-100% | 4回/4回 | 100% |
取締役会では、経営上の重要事項を審議し、中期経営戦略2024の主要項目や各部門・営業グループの事業戦略などの報告を通じた業務執行の監督を行っています。2022年度の審議の実績は以下の通りです。
<2022年度取締役会実績>
・経営戦略・サステナビリティ関連
『中期経営戦略2024』策定、事業戦略会議開催報告、経営戦略会議開催報告、EX戦略進捗状況報告、業務執行報告(非財務関連のリスク管理/財務関連のリスク管理/人事戦略/地域戦略/サステナビリティ関連施策(株主提案対応を含む))など
・ガバナンス関連・コーポレート施策
ガバナンス・指名・報酬委員会開催報告、国際諮問委員会開催報告、取締役会の実効性評価、取締役・監査役人事/役員人事、役員報酬関連、組織体制関連、規程関連、決算関連、資金調達方針、上場株式保有方針の検証、株主総会関連、コンプライアンス関連、内部統制システム関連、会社補償契約、会社役員賠償責任保険(D&O)関連、など
・投融資案件
京都大学新規企業支援プログラム向け寄附関連、HERE社関連、EXファンド関連、サハリン2プロジェクト関連、小名浜石油㈱関連、千代田化工建設㈱関連、Eneco社洋上風力事業関連、三菱オートリース㈱関連、など
社外役員が過半数を占める構成の下、ガバナンス、指名および報酬に関する事項について審議しています。
〈委員の構成(2023年6月23日時点)〉
当社は、2001年にガバナンス委員会を起ち上げて以降、内外環境の変化に応じて、その形と審議内容を深化させてきました。2015年からは、ガバナンス・指名・報酬委員会として、ガバナンス/指名/報酬3つのテーマについて、一体で議論を進め、経営監督の実効性を高めています。
審議を担う委員の構成は、さまざまな専門的知見、経験を有する社外委員を過半数とすることで、その客観性・透明性を確保した上で、取締役会長が委員長を担い執行側の実情も踏まえながら中立的に議論をリードし、より充実した審議を実現しています。
近年は、ガバナンス/指名/報酬のそれぞれのテーマをより丁寧に審議しており、審議時間も拡充しています。審議の内容として、ガバナンスに関しては、取締役会/取締役(社内・社外)の役割・機能や選任方針の確認など、ガバナンス上の諸課題を審議している他、指名に関しては、継続的に「経営者の要件」を審議した上で、丁寧な社長選任プロセスを実現しています。報酬に関しては、役員報酬の在り方を継続的に審議しており、直近では、委員会の審議を経て、2023年6月、取締役に対する報酬のうち、「業績連動賞与(中長期)」の業績連動指標として、サステナビリティ項目を新たに追加しました。「人的資本の価値最大化」および「脱炭素社会への貢献」に関する取り組み状況の評価の審議・決定を行う評価委員会を、ガバナンス・指名・報酬委員会の下部組織として新たに設置し、当該委員会の委員長は社外取締役が努め、本報酬項目の支給対象に該当しない取締役会長および社外取締役をメンバーとします。
ガバナンス・指名・報酬委員会の下部機関。取締役会長および社外取締役をメンバーとし、社長の業績評価について審議の上、決定しています。なお、社長はメンバーではありません。
国際諮問員会は産・官・学界などのさまざまなバックグラウンドを持つ有識者で構成されており、世界情勢を中心とした外部環境に関する意見交換・議論を通じ、国際的な視点に立った提言・助言を行っています。また、2001年の設立以来、取締役会における議論を深める上で大変貴重な役割を担っています。
総数 | 10名 |
---|---|
社内委員 | 3名 |
社外委員(社外役員) | 1名 |
社外委員(海外) | 6名 |
委員 | 国籍 | 役職 | 主な専門性・バックグラウンド |
---|---|---|---|
ハイメ・アウグスト・ゾーベル・デ・アヤラ | フィリピン | Ayala Corporation会長 | ASEANから世界規模のビジネスを立ち上げた経験から、ASEANを含むアジア地政学および産業動向に精通しています。 |
ジョセフ・S・ナイ | 米国 | Harvard大学 特別功労教授 |
米国国家情報会議議長など、複数政権の要職を歴任。安定的な世界秩序の基盤として「ソフトパワー」を提案・定着させた実績があり、地政学分野において世界的に著名な学者です。 |
ナイル・フィッツジェラルド・KBE | アイルランド | Unilever元 会長 |
Unilever社など複数の主要グローバル企業および大英博物館の会長をはじめとする要職を歴任。先進国のみならず新興国の地政学、産業分野において傑出した知見を有しています。 |
ナタラジャン・チャンドラセカラン | インド | Tata Sons会長 | インド最大財閥のTata Groupで長年の経営実績がある他、世界各国の産業に関する知見を有しています。 |
ロッド・エディントン卿 | 豪州 | British Airways元社長 | Cathay Pacific社、British Airways社の社長を歴任。航空業界などの再建事業を主導、産業界における経験が大変豊富です。 |
ビラハリ・カウシカン大使 | シンガポール | シンガポール元外務事務次官 | 地政学的に外交の難易度が高いシンガポールの駐ロシア大使、国連代表、無任所大使などの要職を歴任、大変豊富な外交経験を有しています。 |
国際諮問委員会委員長
取締役会長
取締役
社長
取締役 副社長執行役員
社外取締役
社外取締役・社外監査役の体制一覧は以下の通りです(2023年6月23日時点)。
当社は、社外取締役・社外監査役の機能の明確化・強化を図るため、社外役員が過半数を占めるガバナンス・指名・報酬委員会で審議の上、取締役会にて「社外役員選任基準」を次の通り制定しています。社外取締役4名および社外監査役3名は、いずれも、㈱東京証券取引所が定める独立役員の要件および当社が定める「社外役員選任基準」を満たしています。
なお、上記①~⑦のいずれかに該当する場合であっても、当該人物が実質的に独立性を有すると判断した場合には、社外役員選任時にその理由を説明・開示する。
取締役・監査役による経営監督・監査機能が十分に発揮されるよう、取締役室および監査役室を設置し、職務遂行に必要な情報および支援を適切かつタイムリーに提供しています。社外役員に対しては、取締役会での審議の充実を図り、モニタリング機能をさらに高めるため、以下の取り組みを実施しています。
取締役会での本質的な審議に資するよう、毎回の取締役会に先立ち、各部門・営業グループの経営幹部から社外役員に対し、担当議題の概要を説明する機会を確保しています。また、説明会の場を利用して、審議の充実化に資する情報も適時適切に共有しています。
幅広いテーマについて社外役員間で自由に討議する場として、定期的に開催しています。
各部門長、営業グループCEO・本部長などとの対話、常務執行役員との少人数での意見交換会、中堅・若手社員との対話の機会などを設定し、社外役員と役職員の接点を増やしています。
毎年、社外役員による国内外の事業投資先の現場視察、および経営執行責任者との対話などを実施しています。
当社に関する理解を深めるため、新任社外役員に対して、各部門・グループから、オリエンテーションを実施しています。
当社は、2000年代より、コーポレート・ガバナンスの基盤構築に取り組んできました。近年では、毎年の取締役会実効性評価の結果なども踏まえて、取締役会のモニタリング機能を高めるための施策を着実に進めています。
当社は、従来から経営の健全性・透明性・効率性を確保する基盤としてコーポレート・ガバナンスの継続的強化に取り組んでおり、コーポレートガバナンス・コードの各原則については、全て実施していると判断しています。詳細は当社ウェブサイトに掲載のコーポレート・ガバナンス報告書をご参照ください。
当社では、事業機会の創出や取引・協業関係の構築・維持・強化のための手段の一つとして、保有目的が純投資目的以外の株式を取得・保有する場合があり、これらを取得する際には、社内規程に基づき取得意義や経済合理性の観点を踏まえ取得是非を判断するとともに、取得後は定期的に保有継続の合理性を検証し、保有意義が希薄化した銘柄については縮減を進めています。
当社が保有する保有目的が純投資目的以外の全ての上場株式について、毎年、取締役会で経済合理性と定性的保有意義の両面から検証しています。経済合理性は、個別銘柄ごとに時価に対する当社の目標資本コスト(加重平均資本コスト)に比べ配当金・関連取引利益などの関連収益が上回っているか否かを確認しています。定性的保有意義は所期の保有目的の達成・進捗状況などを確認しています。
上記検証の結果を踏まえ、2022年度は396億円(みなし保有株式138億円含む)売却し、前年度比で約1割縮減しました。2023年3月末時点の残高は時価合計約0.5兆円(みなし保有株式含む)となっています。なお、過去の縮減実績は以下の通りです。
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|
915 億円 | 852 億円 | 396 億円 |
(時価ベース、みなし保有株式含む)
2023年3月末時点で当社が保有する全ての上場株式(時価合計約0.5兆円、みなし保有株式含む)について、取締役会にて検証を行いました。経済合理性および定性的保有意義の両面から検証を行った結果、所期の保有意義が希薄化してきたことなどから縮減を検討していく銘柄が多数確認されています。
当社では、事業機会の創出や取引・協業関係の構築・維持・強化を図るとともに、当社および投資先企業の中長期的な価値向上の観点から、投資先企業とのさまざまなチャネルを通じた対話・コミュニケーションを重視しており、議決権行使もその重要な手段の一つと考えています。このため、保有目的が純投資目的以外で株式を保有する上場企業を含め、投資先企業に対する議決権の行使に当たっては、剰余金処分や取締役・監査役の選任、役員報酬改定などの各議案の賛否を判断する際の検討事項などについて定めた社内規程に基づき各管理担当部局が各社の経営状況(業績、資本効率など)などを定量・定性の両面から検討の上、各議案について適切に議決権を行使することとしています。また、上場子会社の社外役員選解任議案については、各候補者の当社からの独立性も検討のうえ議決権を行使すべき旨も、社内規程で定めています。
年金運用体制として、三菱商事企業年金基金の職員を兼務する形で当社財務部内に年金運用担当を配置しており、財務部局での市場や投資の経験を有する人材を活用して、運用を行う体制としています。また、積立金の運用を安全・効率的に行うことをはじめとした運用の基本方針・運用指針を作成しており、それらを運用受託機関に対して交付した上、運用受託機関のモニタリングを随時行っています。また、同基金は、その保有する資産を主体的に配分するアセットオーナーとして『日本版スチュワードシップ・コード』の受入れを表明し、資産の運用を委託する運用機関に対し、スチュワードシップ活動を求めています。
当社では、業務執行の最高責任者である社長の選任について、社外役員が過半数を占めるガバナンス・指名・報酬委員会(委員7名中、社外取締役4名)で経営者の要件およびその選任に関わる基本方針、並びに個別人事を審議・確認し、取締役会で選任を決議していることに加え、執行役員の選任・業務分担などは取締役会での審議を経て決定することとしています。また、取締役・監査役候補者の選任方針・手続および個々の選任案は、ガバナンス・指名・報酬委員会による審議を経て、取締役会で決議の上、株主総会に付議することとしています。
なお、業務執行の最高責任者である社長の解任については、必要に応じて機動的に判断・対応する方針とし、ガバナンス・指名・報酬委員会で審議し、取締役会で決議することとしています。
氏名 | 役職・地位 | 業務内容 | 勤務形態・条件 (常勤・非常勤、報酬有無など) |
社長など退任日※取締役会長退任日※ | 任期 |
---|---|---|---|---|---|
小林 健 | 相談役 | 対外活動 | 非常勤、報酬無 | 2022年3月31日 | 2028年3月 |
元代表取締役社長などである相談役・顧問などの合計人数 | 1 |
---|
当社の社長経験者につきましては、必要な場合に、相談役に任命できることとしており、現在、相談役1名が在任しています。相談役は、取締役には就任しておりません。また、意思決定を行う経営会議へも出席などしておらず、当社の業務執行には関与しておりません。相談役は、主に、当社あて要請のあった社外役職就任をはじめとする社会的意義の高い対外活動に従事しています。
なお、2020年7月以降、相談役を非常勤かつ報酬無しとしています。
当社は、『三綱領』を企業理念とし、公明正大を旨とする企業活動を通じ、継続的かつ中長期的な企業価値の向上を図ることが、全てのステークホルダーのご期待に応えるものと認識しています。この実現の観点から、株主・投資家との対話を積極的に行い、当社の経営・事業戦略を適切にステークホルダーに伝えると同時に、ステークホルダーの期待を適切に経営に伝え、経営・ステークホルダー双方向でのフィードバックを実践します。適時かつ適切に説明・開示することにより、企業としての説明責任を果たし、株主・投資家を含めたステークホルダーからのご期待に応えるよう努めています。
当社は、株主・投資家との対話を強化する目的として、2023年4月よりChief Stakeholder Engagement Officer(CSEO)を設置しています。CSEOは、広報部、サステナビリティ部、およびIR・SR部を管掌しており、多様化するステークホルダーのニーズに一体で対応しています。株主・投資家との対話においては、専任部局であるIR・SR部が中心となり、各部門・営業グループが有機的に連携し、横断的な社内体制を構築しています。
また、株主・投資家との対話の前提となる情報開示に関しては、金融商品取引法、会社法などの法律に定められた書類などの作成や金融商品取引所の定める規則に基づく適時開示を行うとともに、社長室会の下部委員会として開示委員会を設置し、有価証券報告書の開示書類について、内容の適正性の審議・確認などを行っています。また、CSEOが主体となり、ホームページ、サステナビリティ・ウェブサイト、統合報告書、株主通信、新聞広告、会社案内などを通じて、積極的かつ透明性の高い情報開示に努めています。なお、当社では、情報開示体制に関する方針として、「情報開示規程」を策定・開示し、全役職員に周知徹底しています。
当社は、株主・投資家との建設的な対話を通じた継続的かつ中長期的な企業価値の向上を図るため、以下の取り組みを推進しています。
株主総会は株主に対する説明責任を果たす場と位置付け、株主総会招集通知などでの積極的な情報開示とともに、当日の総会の場では株主からの質問に対する丁寧な説明に努めています。
個人投資家向け説明会を開催しています。
<2022年度活動実績一覧>
個人投資家説明会9回(うち社長、CFOなどが出席したもの1回)
四半期ごとの決算説明会の他、国内外の機関投資家向けに説明会・面談を実施しています。また、MCSV Creation Fprumと称した説明会や対話を都度開催しています。
決算説明会*目的、内容に応じて、社長、CSEO、CFO、CAO、営業グループCEO、社外取締役などが出席*4回
MCSV Creation Forum*目的、内容に応じて、社長、CSEO、CFO、CAO、営業グループCEO、社外取締役などが出席* 3回(事業説明会2回、ESG説明会1回)
国内・海外機関投資家(運用部門)およびアナリストとの面談 約430回(うち社長、CSEO、CFOなどが出席したもの約30回)
国内・海外機関投資家(責任投資部門)との面談 約70回(うち社長、CAOなどが出席したもの約3回)
当社では、IR・SR 活動を通じて得られた株主・投資家からの意見や経営課題については、社長をはじめとする経営幹部や、取締役会・社長室会などに対し適切に報告される仕組みを整備しています。この他、株主・投資家との対話および決算説明会などを通じて得られた意見は、関連部局より社内にフィードバックするなど、経営の改善に役立てています。また、株主との対話に際しては、インサイダー情報が伝達・漏洩されることのないよう、「三菱商事役職員行動規範」に則り、「株式などの不公正取引防止基準」を制定し、全役職員に周知徹底しています。